プロジェクト概要
日本海に面した長門市仙崎地区は、かつて古式捕鯨等の漁業も行われていた港町で、昔から多くの人たちが行き来する場所として賑わいを見せていました。
そんな自然豊かな仙崎で生まれ育ったのが、作詞家・大津あきら。数多くの著名人への歌詞提供を行い、幅広い分野で活躍する昭和歌謡を代表する作詞家でしたが、1997年、がんにより若くしてその人生に幕を閉じました。
東京をはじめとする関東圏や岐阜県などから計7名の方が今回のプロジェクトに参加され、大津あきらの故郷・仙崎のまちを追体験した後、音楽祭に出演されました。昨年に続き、今年も関係人口としてプロジェクトに参加された方が演者としてステージに立たれるなど、年々地域との関わりが深くなっている印象を受けました。
実施内容【9月13日〜14日】
「老若男女、一丸となって参加している」「感動的な演奏に元気をもらえた」「音楽を超えたコンテンツもあり素晴らしかった」と、非常に満足度の高いプロジェクト実施となりました。
プロジェクト実施団体へインタビュー

大津あきら顕彰会
大井 徳三さん
長門市仙崎地区出身。仙崎小学校を卒業後、東京の中学・高校・大学へ通い、日本放送協会(NHK)のディレクター職を務める。NHK大阪文化部長、NHKエンタープライズ・エグゼクティブプロデューサー、萩テレビ代表取締役を経て、現在は、ルネッサながとの館長に就任。音楽や文化を通じ、地域を盛り上げるため奔走している。
Q. 今回プロジェクトを企画・実施されたきっかけは?
金子みすゞに勝るとも劣らない、同じ仙崎出身の天才作詞家、大津あきらが亡くなって25年経ちます。生前に東京で1000以上もの楽曲を生み出した大活躍を、彼はほとんど地元で話していません。そこで、まずは音楽祭をはじめることにしました。青春をテーマにした歌が多いので「大津あきら青春♪音楽祭」という名前にして、最初はアコースティックライブ、次は中学生の吹奏楽、その次は合唱団といったように、いろんなジャンルで実施しています。山口県の関係人口プロジェクトに3年連続で参画させていただいたおかげで、東京からもいろんな方が参加していただけるようになりました。
Q. 取り組んでみてよかったことは?
4つの中学校の吹奏楽部と大津緑洋高校も参加して、110人の大人数で演奏を行い、生徒たちにとってもすごく貴重な体験になったと思います。音楽祭は3年目なので、中学校で参加していた生徒が、今年は高校の吹奏楽部として参加されたことはとても嬉しかったです。関係人口として東京から参加された方が、サックスとピアノで大津あきらの曲をジャズ演奏されたのは地元の人には驚きでした。また、前日の仙崎視察では、仙崎のあちこちに10年以上も前から描かれている金子みすゞの10以上のミューラルアートを見て回られ、視察の最後には、仙崎の街の活性化を目的に立ち上がった「仙崎アート観光推進協議会」が新たに描いた巨大な大津あきらのミューラルアートの除幕式にも出席いただきました。「仙崎はミューラルアートの先進地だ」という声も上がるなど、喜んでいただくことができたと思います。関係人口の方の外からの目線は本当に大事です!音楽祭の出演者数が120人を超えたため、とりまとめが大変なこともありましたが、「大津あきら」が連れて来てくれた音楽の持つ可能性や楽しさを目の当たりにできて感動しました。
Q. 今後の目標は?
地元=生きていくよりどころ。豊かさ、居心地のよさ、空の壮大な美しさがある仙崎の幸せ度は相当なものです。外からたくさん人が来ると、地元の人も地域のよさを再認識することができるので、今は関係人口として関わってくださっている方々が、定年後に移住してくれるといいなと思っています。これからは金子みすゞや大津あきらをベースに音楽の街にしていきたいですね。有名なホテルが2年後にできる予定なので、それまでに仙崎の食事処で食事をしながらちょっとした演奏が聞けるような環境を整えて、ゆくゆくは仙崎J-POPフェスタの開催を目指したいです。
参加者コメント
※感動をいっぱい感じた
※大津あきら、金子みすゞ、引き揚げ船など、決して大きくないまちに素晴らしい遺産があり、とても魅力的
※学生のつながり、青春が素晴らしい
※まち全体が協力し合って盛り上げようとしているのが伝わる(熱意=愛を感じた)
※小学生など、もっと小さな子どもや保護者が参加できる仕掛けがあっても面白い