〔レポート〕【長門市俵山募集プロジェクト】俵山温泉街の街歩きと再生に向けたディスカッション(長門市俵山地区)

平安時代から名湯の湧く温泉地、俵山温泉。日本古来の湯治場の風情を色濃く残すこの街は、かつては多くの湯治客で賑わいました。しかし現在はライフスタイルの変化や、コロナ禍による影響も大きく、温泉街の活性化への道を模索しています。今回のプロジェクトでは、千葉商科大学の山田耕生准教授と、山田ゼミで地域や観光について学ぶ学生18 名が俵山温泉を訪れました。その時の様子を主催者のひとり、「たわらやまの旅と未来会議」のメンバーで株式会社SDWORLD代表の藤永義彦さんに伺いました。「たわらやまの旅と未来会議」は、観光客や関係人口の拡大による地域の活性化を目的とした組織で、「株式会社SD-WORLD」は、「生まれ育った俵山を守りたい」という地域住民の想いから生まれた、住民出資による会社です。

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俵山温泉では現在、入浴施設「白猿の湯」に併設される農産物直売所の閉鎖や、旅館の経営者の高齢化や事業継承など、様々な課題を抱えています。今回のプロジェクトでは、学生たちに俵山や長門市の実際の様子を知ってもらうため、綿密にスケジュールが組まれました。
9月26 日、千葉商科大学・山田ゼミの先生と学生たちが、ラグビーワールドカップ2019 でカナダ代表チームのキャンプ地となった「ヤマネスタジアム俵山」に到着しました。ここから俵山温泉街へと向かい、周辺を散策。そして宿泊場所であるゲストハウス「ねる山」へ。夕飯はお食事処「たべ山」で自慢の蕎麦と地元産ジビエを味わい、俵山温泉が誇る名湯を楽しみました。



2日目の9月27 日は4つの班に分かれて、俵山の現状を深堀しました。
まず1つ目の班は「白猿の湯の店舗活用と新商品開発」がテーマ。近く閉店する予定の「白猿の湯」内の農産物直売所の新たな活用方法と、地元産の素材を使った新商品開発のアイデアを模索しました。
2つ目の班は「俵山温泉の過ごし方」をテーマに、レンタサイクルを活用しながら俵山の町中を巡り、俵山の新たなスポットを探しました。
3つ目の班のテーマは「俵山温泉を拠点とした観光ルート」。長門市内に視察に出て、観光コンベンション協会の担当者にお話を伺いながら、長門市内の観光スポットやトレンドなどについて学びました。
そして最後の班は「空き家(一軒家、旅館)の活用」をテーマに、空き旅館や空き店舗の活用事例の視察をしたり、東京にお住まいで俵山への移住を検討されているご家族との意見交換会を行いました。



シェアハウス「灯炬庵(とうこあん)」の視察では、そこで暮らす同年代の若者のお話に学生たちが共感。「自分のやりたいことを俵山で実現していく」というお話に、強く憧れを頂いた様子でした。一緒に話を聞いていた山田准教授も感銘を受けられ、他の班の学生にも呼びかけて、再び灯炬庵に訪れるほどでした。

実施期間:2022 年9月26 日〜29 日 参加人数:大学19 名、一般4名